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特別展「花鳥絢爛刀装 石黒派の世界」 (C-6)

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特別展「花鳥絢爛刀装 石黒派の世界」2016.7.26~10.30

日本刀に興味があるわけではないけれど、企画展の間だけ展示されている、岡本秋暉の「四季花鳥図」を見たくて。
それが、すっかりはまってしまった。
刃の奥深さを知るところにはまだ至らないけれど、柄やさやの小さなところに、こんなに美しく超絶な世界が展開されていたとは。

「石黒派は、江戸後期の装剣金工の流派。花鳥画を得意とし、絢爛たる特性をもって武用を芸術に昇華させ一流を成す。」(解説から)
石黒派の祖の石黒政常以降、五人の作が展示されていました。
(ここに岡本秋暉の掛け軸が展示されているのは、石黒派隆盛期を築いた三代目の政美の息子だから。岡本家に養子に出され絵師となる。父や兄に絵柄も提供していたよう。)

柄の「鐔(つば)」、「縁頭(ふちがしら)」、「目貫(めぬき)」、柄に差す「小柄」のセット、または単品の展示。
名称、用途については、いただいた解説↓ から初めて知ったことばかり。


◆政常(1746~1828) 石黒派の祖(写真はチラシから)
限られたスペースにうまく配しているもの。余白とってあるのもいいな。
「菊に軍鶏図大小」のセットの鐔(つば)の部分。

小さな限られたスペースにうまく配置するもの。肉眼で見えないくらいなところまで超絶技巧。裏にも菊が配置してあった。

「鷹図目貫」は迫力。目貫は3センチ弱くらい。ピンバッジのよう。この細かさ、眼光の鋭さ。


写真がないのが残念だけど、他にも見とれるものが多かった。
黒々と荒々しい波の「四季波濤図揃金具」は、この狭いスペースに、屏風絵のような広がり。
竹林の間からぎょろりと虎の目だけの「竹虎図縁頭・目貫」は、眼だけに金が使われ、本当に光っていて迫力。
「蛸鯉図縁頭」は、タコ足の伸ばし方もぬらり、むにゅっと怒った顔。浮世絵の影響もあるのでしょうか。
他にも、親子のキジ、神亀、からす、さぎ、鯉など、意匠も多彩。さぎにはわびしさ、竹の葉のなびく様子は風を感じたり。
小さくとも一つ一つが詩情をかもしだしていて、完全な絵。初代の美意識に感じ入る。

◆二代 政常(初代政常の子)
初代より金を多用し、赤銅、緋色銅を組み合わせ、色彩も多様化してきた感が。
「親子熊図縁頭」は竹の間に親子のほのぼの感。武具に親子の情をあしらうのもありなんですね。
「牡丹金鶏図鍔」は、表に牡丹、金鶏、裏には鶯と梅。水流も。金鶏も生き生きしており、動きが。

◆政明(初代政常の門人、1813~)三代目の政美と並び、名工と言われているそう。
鷹の目貫。

雉子図揃金具の中の小柄。刀に、実はこんなものがセッティングされていたとは知らなかった。紙やひもを切るなど日常生活に使用されるものとか。

たんぽぽが咲いている^^。

「梅樹鷹図小柄」は梅のつぼみもふっくら。まだ固いつぼみも。


◆政美(1774~三代目、石黒派の繁栄させ、薩摩藩のおかかえとなったこともあったそう)
政美の作は、より膨らみ、立体感が増していた。ストーリーも複雑化し、絵柄が壮麗だった。
「波濤に岩上鷹千鳥図大小鍔」は、政常の継承でもあるが、波濤の迫力、雄々しい鷹におわれる千鳥は三羽も。波しぶきの泡が金の点で星のように散らされ、もはや宇宙。大胆で大きな構成をよくこの小さいスペースに入れ込めるなあと。
「兎図三所物」は、二羽のウサギが菊の間で跳ねていた。
猿もいました♪。「猿猴図鍔」は、お猿が水流の上の岩場に腰掛け、山の上の月を眺めている。その目線まではっきり感じ取れる。子ザルもいた♪。表面は松が描かれていて、その幹には花鳥図でよく描かれる玉苔まで。芸が細かい。
他にも籠と紅葉、神輿を担ぐ人々の賑やかな様子、など四季折々でした。

展示のクライマックスは、「松樹尾長鳥図大小鍔・大小縁頭」。全てセットで揃っており、豪華絢爛Max。これだけのものはどちらの大名家のものなのかしら、いったいおいくらほどするのかしら、と思ったり。
オナガドリ、もう一羽と呼応してた。

松の葉にツタが絡まり豪華で繊細。


初代政常のような余白の美は、すでにどこかに行ってしまって、とにかく濃密。
輸出用の華やかで超絶な薩摩焼の器を思い出した。